信州宮田村の歴史や民謡、伝説など。伊那街道や宮田宿、遺跡などをご紹介。
宮田駅前公園「輪苑」と名水「輪条の泉」
「輪苑」完成までの経緯 |
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宮田駅前「輪苑」 |
現在、JR宮田駅前に「輪苑(りんえん)」という公園があります。 ここは、今から10年くらい前までは空き家があり寂しい場所でしたが、「荒れている駅前広場にかつてのにぎわいを呼び戻そう」と、宮田村町一・二区の住民の有志で作った「一輪の会(いちりんのかい)」が中心となり寄付を集め、県・村の補助金をうけ、植栽と噴水や井戸を備えた公園が完成しました。 |
名水「輪条の泉」 |
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「一輪が拾百千に輪を広げ 豊かに育て我が梅の里」 名水「輪条の泉」 |
撮影中、偶然この広場を立ち上げた「一輪の会」代表の小澤さんの奥様がお見えになり、いろいろとお話ししてくださいました。 小澤さんは広場へ頻繁に来て整備をしているそうです。この日は「輪条の泉」と呼ばれる湧き水の蹲踞(つくばい)の苔の手入れをしていました。 輪条の泉の傍らにある石碑には、「一輪の花が二輪、三輪と広がるように地域の善意、ボランティアが広がっていく」という一輪の会の精神が刻まれています。 泉の水は、中央アルプスからの雪解け水が150年の歳月をかけて湧き出した透明度が高く不純物がないPH値6.4の天然水です。 カップがあり、訪れた方は誰でも飲めます。 実際飲んでみると、冷たくおいしい水でした。(おいしいと感じる水は、PH6.0〜7.5位と言われている) 近隣の皆さんはポリタンクで汲みに通われてるようです。アトピーに良いと人づてに聞いた方々が遠くからタンクをいくつも持って汲みに来る事もあるそうです。 宮田駅前は、かつていろいろな店があり、芸者さん達で賑わっていたのだと教えてくれました。今では荒れた様子は微塵もなく、立派に整えられ憩いの場と変容をとげています。大きな木があるため、木の枝払いをして風通しを良くし、広場を風が吹き抜ける設計にして、また見通しが良くなることで防犯上の点を注意しているそうです。今では「小さな子供が来て遊んでいる」と微笑んでいました。 |
地域協働の手作り公園 |
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「あずま屋」 「噴水」 |
輪条の泉から約30mのせせらぎが木々の元を通って続いており、あずま屋、噴水へと続きます。噴水は絶え間なく水しぶきをあげ、輝いていました。 地元の「自然を呼び戻す会」の皆さんが、このせせらぎでのホタルの繁殖を目指してカワニナを放流したりしているそうです。 「あずま屋」は住民が提供した「ヒノキ材」を利用して作られ、座って広場の景観を楽しむ事ができます。 噴水の横には香り立ち、満開に咲き誇る紅梅がありました。今ある佇まいになるには、多くの方々の援助があってできあがったようです。 タイムスリップしてしまったかのように建つ土蔵の前の白梅、古くからある木々などで、地元の皆さん手作りの広場には清々しい風が通り抜けています。 春には、輪苑入口にシャクナゲが、築山(つきやま)に芝桜が咲きます。広場の駅寄りの一角には花壇があり、ボランティアの皆さんが毎年花苗を植え、彩豊かにし、秋まで楽しませてくれます。 地域の玄関口である宮田駅は、一輪の会や地元企業、多くのボランティアの力で再生し、今後も地域の憩いの場として、守られ、愛され続けていくことでしょう。 |
「輪苑」の記録 |
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「1周年記念石碑」 |
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